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【バンドリ!】『睦、たまには出掛けませんか』
にじげん!デイリーそうだねx11
昨夜送った私の誘いに『行く』とだけ返ってきたメッセージを見返して、私は苦笑しました。
チャイムを鳴らしお手伝いさんに挨拶して、睦の部屋へ行きます。
すでに準備万端と言った具合に、ポーチを肩から下げて睦はベッドに腰掛けて待っていました。
「遅れてごめんなさい。行きましょう」
「…分かった、祥」
こくりと頷いて立ち上がった睦に微笑んで、私達は散歩に向かいました。
🌙
人通りの多いところは睦が注目されてしまいますから、散歩の範囲はあくまで近所、遠出はいたしません。
見慣れた道ですが、2人で歩けばきっと楽しい道になると思います。
「涼しくなりましたわ」
いつの間にか季節が巡り、秋めいた気温になっていることに気付けて安堵します。
私にもそれを楽しめる余裕のようなものが、やっと生まれたのだと思えますから。
「…えんどうの種まき、した」
「えんどう?」
チャイムを鳴らしお手伝いさんに挨拶して、睦の部屋へ行きます。
すでに準備万端と言った具合に、ポーチを肩から下げて睦はベッドに腰掛けて待っていました。
「遅れてごめんなさい。行きましょう」
「…分かった、祥」
こくりと頷いて立ち上がった睦に微笑んで、私達は散歩に向かいました。
🌙
人通りの多いところは睦が注目されてしまいますから、散歩の範囲はあくまで近所、遠出はいたしません。
見慣れた道ですが、2人で歩けばきっと楽しい道になると思います。
「涼しくなりましたわ」
いつの間にか季節が巡り、秋めいた気温になっていることに気付けて安堵します。
私にもそれを楽しめる余裕のようなものが、やっと生まれたのだと思えますから。
「…えんどうの種まき、した」
「えんどう?」
1: にじげん!デイリーそうだねx3
前を向いたまま、睦がぽつりとつぶやきます。
えんどう豆…のことでしょうか。
「10月頃、種を蒔く。学園の花壇に、蒔いた」
「睦はえんどう豆を育てるのですね」
花ではなく野菜ばかり育てているのが睦らしくて、私は睦に微笑みかけます。
ピタリと立ち止まった睦はしかし、私を見てふるふると首を横に振ります。
「祥、えんどう豆じゃない、えんどう」
「同じではなくて…?」
「違う」
きっぱりと睦は言い切ります。
睦にしては強い瞳が私を見据えます。
それだけここは大事な部分ということでしょうか。
「えんどう豆は、さやえんどうの中にある豆を、完熟させたもの…」
平べったい形のさやえんどうが頭に浮かびました。
あの中にある小さい粒…豆を成長させたものがえんどう豆、ということでしょうか。
えんどう豆…のことでしょうか。
「10月頃、種を蒔く。学園の花壇に、蒔いた」
「睦はえんどう豆を育てるのですね」
花ではなく野菜ばかり育てているのが睦らしくて、私は睦に微笑みかけます。
ピタリと立ち止まった睦はしかし、私を見てふるふると首を横に振ります。
「祥、えんどう豆じゃない、えんどう」
「同じではなくて…?」
「違う」
きっぱりと睦は言い切ります。
睦にしては強い瞳が私を見据えます。
それだけここは大事な部分ということでしょうか。
「えんどう豆は、さやえんどうの中にある豆を、完熟させたもの…」
平べったい形のさやえんどうが頭に浮かびました。
あの中にある小さい粒…豆を成長させたものがえんどう豆、ということでしょうか。
2: にじげん!デイリーそうだねx3
「さやえんどう、グリーンピース、えんどう豆…全部、同じ野菜」
「…知りませんでしたわ」
「中の豆が完熟する前のものが、グリーンピース。完熟したものが、えんどう豆…」
心なしか睦が得意げな顔をしているように見えます。
いえ、きっと勘違いではないのでしょう。
また知らない睦の一面を見れて、私も嬉しいですから。
「流石、園芸部ですわ。教えてくれてありがとう、睦」
「祥は、食べたい?」
「…えんどうのこと?」
「うん」
「そう、ですわね…」
投げられた睦の問いかけに私は悩みます。
なんと答えれば良いのでしょう。
さやえんどう? グリーンピース? えんどう豆?
折角睦が教えてくれたのですし、きちんと答えたいと思います。
「…知りませんでしたわ」
「中の豆が完熟する前のものが、グリーンピース。完熟したものが、えんどう豆…」
心なしか睦が得意げな顔をしているように見えます。
いえ、きっと勘違いではないのでしょう。
また知らない睦の一面を見れて、私も嬉しいですから。
「流石、園芸部ですわ。教えてくれてありがとう、睦」
「祥は、食べたい?」
「…えんどうのこと?」
「うん」
「そう、ですわね…」
投げられた睦の問いかけに私は悩みます。
なんと答えれば良いのでしょう。
さやえんどう? グリーンピース? えんどう豆?
折角睦が教えてくれたのですし、きちんと答えたいと思います。