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【野球】「あんなパフォーマンスがあっていいのか」高校野球の入場行進で異例の行動 「軍隊式」に疑問を持ったチームに驚きの反響
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2025/03/30
Published 2025/03/30 10:00 (JST)
高校野球・青森県大会の開会式で入場する弘前学院聖愛高校の選手たち=2024年7月9日、青森市、ダイシンベースボールスタジアム(弘前学院聖愛高校提供)
高校野球では珍しい光景だった。2024年7月9日、青森市営野球場(ダイシンベースボールスタジアム)。夏の高校野球・青森県大会の開会式で選手たちの入場行進が始まった。各校ごとに、ユニフォーム姿で2列縦隊となって整然とグラウンドに入ってくる。「イチ!ニッ!サンシーッ!」。表情を引き締め、手足をきびきびと動かす球児たち。
その中で、1校だけ様子が違った。帽子を取り、スタンドに向かって笑顔で手を振りながら歩く。まるでオリンピックの選手入場のように。先頭のプラカードには「聖愛」と書かれていた。弘前学院聖愛高校だ。この行動は反響を呼び、疑問視する声も上がった。ただ、選手を含め学校関係者は「やって良かった」と話す。実は、その1年以上前から選手同士で話し合っていたという。(共同通信=岩井惇)
▽「軍隊式はうちに合わない」
選手の入場行進は、甲子園歴史館によると、夏の選手権大会では1917年第3回大会に始まった。オリンピックや、同年5月に東京で開催されたアジア地区のスポーツ大会「極東選手権競技大会」の開会式がヒントになったという。軍楽隊によるマーチでの行進や、整列を取り入れた。そのせいか、現在も軍隊を連想させるような行進になっている。
一方、聖愛はホームページによると1886年創立。野球部の原田一範監督は校風をこう説明する。
「聖愛はキリスト教を理念とする学校で、平和教育に力を入れています」
修学旅行では訪れるのは原爆ドーム。戦争経験者ら、語り部から話を聞く機会もある。だからこそ「従来の軍隊式の行進は、うちには合わないと思っていました」(原田監督)。
選手たちも同じことを考えていた。元主将の貴田光将さんが振り返る。
「過去にそういうことがあったと自分たちがもっと知って、未来の人たちに伝えていかなきゃいけないなと思いました」
▽平和な入場行進って?野球部員がミーティング
平和な入場行進の形とは何か。23年6月、校舎内で開いた野球部のミーティングで出た案が、オリンピックのように手を振るパフォーマンスだった。開会式の要項を確認したところ、ルール上問題はない。さらに、高校総体や、高校サッカーでも似たような形式の行進が行われていることを確認。倫理的にも問題ないと判断した。この年の青森県大会の開会式は7月13日。選手たちは「やろう」と決めた。
ところが、当日はまさかの雨。各校の入場行進は中止になり、パフォーマンスは未遂に終わった。
原田監督は振り返る。「正直ほっとした部分もあります。批判されるんじゃないかと、怖い気持ちもあったので」
▽「やろう」と決めたチーム、監督も賛同
(略)
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