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【K-王桜】「桜の木に国籍を押しつけるな」韓国で“日本の桜”を植え替える動きが進む…ルーツに関わる写真展も
「エミール・タケ植物研究所」(理事長:チョン・ホンギュ)が、エミール・タケ植物標本写真展「120年前、K-王桜と出会う」を、3月25日から4月20日まで慶州文化館1918(旧・慶州駅)で開催中だ。
エミール・タケとはフランス人宣教師で、1908年に韓国の済州島で自生していた「王桜」を発見・採集した人物だ。今回の写真展では、これまで一般には公開されてこなかった、彼が採集した「済州王桜」の標本が写真で公開されている。
チョン・ホンギュ理事長は「今回の写真展は、日本の京都大学が提供したエミール・タケによる済州王桜の標本(採集番号4638)1点をはじめとする植物標本24点、あわせて25点を写真で一般に初公開するという点に大きな意義がある」と伝えた。
韓国では近年、王桜を自国の在来種とし、重要視する傾向がある。
2050年までに韓国国内に植えられている日本原産の「ソメイヨシノ」を、済州産の王桜に更新することなどを目的に社団法人「王桜プロジェクト2050」が発足しているほどだ。
それは、韓国に植えられている桜の多くがソメイヨシノであるからに他ならない。
例えば2022年4月、韓国の国会があるソウルの汝矣島(ヨウィド)に植えられている桜のうち、90%がソメイヨシノであることがわかった。
王桜プロジェクト2050が行った調査によると、韓国国会に植えられている桜218本のうち197本(90.4%)、汝矣書路に植えられている418本のうち403本(96.4%)が、ソメイヨシノだった。王桜は1本も確認されなかったという。
王桜プロジェクト2050のシン・ジュンファン会長は「大韓民国の民意を象徴する国会や、ソウルで最も有名な桜祭りの場所に植えられている桜の種類を調査した結果、在来種の王桜は1本もなく、ほとんどが日本原産のソメイヨシノだった」と述べたうえで、「日本の木を植えてはいけないと主張しているわけではないが、国会や顕忠院(国立墓地)などに日本原産の桜を植えるのは望ましくない」と伝えていた。
その影響か、ソウル永登浦区は昨年4月1日に「汝矣島の桜並木」として知られるユンジュン路一帯に、王桜を植えていく予定と発表している。
ただし、ソメイヨシノから王桜へ植え替える動きには、反対の声も少なくない。
オンライン上では「すべてとは言わないが、国会前などは王桜に変更したほうがいい」という声もあるが、「立派に育った木をわざわざ引き抜くのか?」「自然に国籍なんてあるのか。自然は自然だ」「きれいな木に国籍を押しつけるな」「こんなことで対立を煽るのはやめよう」といった反応が寄せられた。
現実的にも、韓国に存在する「日本の桜」をすべて除去し、「韓国の桜」に植え替えることは不可能に近いだろう。木のルーツに、どれほどの意味を見出すべきなのだろうか。
(文=サーチコリアニュース編集部O)
2025年03月27日
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