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特に、ソウルは新型コロナ重症者用病床345床のうち67床(病床使用率80.6%)しか残っていない状態だ。
ある総合病院の関係者は「入院・退院手続き中だったり、消毒中だったりで、一時的に空いている病床もあることを考えると、ソウル市内の重症者用病床は既に満杯だ」「もし重症者用病床がすべて埋まったら、飲食店で客が行列をするように、重症者用病床の前の廊下に重症者が横たわって待つような修羅場になるかもしれない」と話した。
専門家らは「アストラゼネカ製ワクチンを接種した高齢者層(60-74歳)に対するブースター接種時期を今年の夏に早めていれば、このような危機的な状況は起こらなかった可能性がある」と指摘している。
疾病管理庁が17日、「追加接種(ブースター接種)接種間隔短縮調整」を発表した際、同時に公表した「ワクチン別抗体形成および持続能分析結果」でもこうした状況が明らかになっている。
ワクチン接種を始めた際、医療従事者らを対象に定期的に血液を採取し、どれだけ早く抗体が下がるかを調べたところ、ファイザー製は5カ月でに抗体価が約半分(338→168)に、アストラゼネカ製は3カ月で半分以下(207→98)に下がったというものだ。
防疫当局はこれまで、ワクチン接種完了者などを対象に抗体保有量などを定期的にモニタリングしてきたにもかかわらず、ブースター接種の間隔をこれまでの6カ月にこだわり続けてきたため、アストラゼネカ製ワクチンなどを接種した高齢者層が新型コロナウイルスにさらされることになり、防疫危機を招いた、との指摘がある。
疾病管理庁の鄭銀敬(チョン・ウンギョン)庁長はこれについて、「米食品医薬品局(FDA)がファイザーとモデルナの追加接種間隔を6カ月と勧告した点なども考慮した」と説明した。
しかし、米国ではアストラゼネカ製ワクチンが使われていない上、米国立衛生研究所(NIH)では先月、ブースター接種間隔を12週にしても安全性や効果に大きな問題がないと発表した。
この点を考えると、接種間隔を縮める努力をもっと早くからするべきだったということになる。
高麗大学予防医学科のチェ・ジェウク教授は「政府が抗体価調査をしてきたし、ワクチン量が不足してもいないのにブースター接種を急がなかったというのは納得しがたい」と語った。
政府が時機を逸したということだ。
朝鮮日報
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2021/11/18/2021111880011.html