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【中央日報】トランプ大統領は知っているのか…韓国、米国に4年間1000億ドル(約15兆円)投資した
大統領候補時代のトランプ米大統領は昨年9月24日、米ジョージア州サバンナの演説会場でこのように叫んだ。「中国からペンシルベニアに、韓国からノースカロライナに、ドイツからジョージアに、製造業の大規模エクソダス(大移動)を目撃することになるだろう」と述べた。
大統領選挙で勝利したトランプ大統領は「関税爆弾」を飛ばしながら自身の公約を実践しているところだ。だがトランプ大統領のこうした戦略がむしろ逆効果を招くだろうという分析が出ている。韓国が最も多く投資する国は事実米国だ。海外直接投資のうち対米投資の割合は昨年まで14年連続で1位だった。こうした韓国がトランプ変数により対米投資をかえって減らすこともあるとの見通しが出始めた。
韓国企画財政部によると、昨年の対米海外直接投資額は220億8000万ドルを記録した。2021年から4年連続で200億ドルを超えた。4年分を合わせれば1000億ドルを上回る。企画財政部のカン・ビョンジュン国際経済課長は「昨年まで韓国企業の対米先端産業(半導体やバッテリーなど)投資が続いた」と説明した。海外直接投資とは企業などが海外に新たな法人や工場などを設立したり、既存の外国企業に投資したりすることを意味する。
昨年の対米投資額は過去最大だった2022年の295億ドル、2023年の279億9000万ドルと比較すると少なくはある。これは2022年にあまりに対米投資が集中したのに伴ってベース効果が作用したためだ。また、他国への投資まで含めた海外直接投資規模が2022年に817億ドルで過去最大を記録してから世界的な高金利などの不確実性のために昨年639億5000万ドルまで減少した影響もある。
昨年の海外直接投資のうち最も大きな割合を占めた相手国は米国だった。2位はケイマン諸島の66億3000万ドルで米国との格差が大きかった。次いでルクセンブルクが59億9000万ドル、カナダが37億9000万ドル、シンガポールが26億9000万ドルなどと続いた。米国は2011年から14年連続で韓国の最大投資相手国だった。
米国の立場で見ても海外の国のうち韓国が最大の対米投資国だ。英経済紙フィナンシャル・タイムズが昨年9月に国連貿易開発会議(UNCTAD)の資料を分析した報道によると、韓国が米国に投資することで約定した金額は2023年に215億ドルで1位だった。
これに対し中国への直接投資は急激に減少している。2022年の85億4000万ドルから2023年は18億9000万ドルと80%近く減少したのに続き、昨年も18億1000万ドルと減少傾向を継続した。米国と比較して10分の1にも満たない。対中投資の割合は2010年に1位だったが、2011年に米国に明け渡したのに続き昨年は8位まで落ち込んだ。
米国が中国との覇権競争で勝利するために「米国優先主義」を展開する中で、韓国が後押ししてきたという意味だ。韓国貿易協会は昨年5月に報告書を出し、「韓国の対米投資は両国ともに肯定的な効果をもたらす」と分析した。まず韓国の対米投資が10%増えれば韓国の輸出は0.202%増える。米国に設立された法人が韓国から商品を調達するためだ。
米国の立場では雇用、経済成長、輸出など多方面で韓国から恩恵を受けたという意味にもなる。2021年基準で米国内の韓国企業の労働者1人当たり平均年間給与は10万4000ドルで、全体平均の8万7000ドルを上回った。資産規模と比べた米経済への成長寄与度は27カ国中10位、米国の対外輸出寄与度は26カ国中5位だった。
だが韓国の対米投資が今後も高い水準を維持するかは未知数だ。韓国貿易協会国際貿易通商研究院のチャン・サンシク院長は「トランプ大統領が米国に投資する半導体企業に与えることにした補助金を取り消す可能性を示すなど環境が悪化しており、韓国企業の立場では投資を継続するか悩むほかない」と話した。トランプ大統領は5日、「半導体企業支援を中断し財源を政府負債削減に使うだろう」と明らかにした。
また、トランプ発関税が景気低迷を呼び起こしかねないという診断も出ている。対米投資だけでなく海外直接投資全般を萎縮させる恐れのあるリスク要素だ。
中央日報日本語版 2025.03.16 10:40
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