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【教育】「無理して登校しなくていい」だけでいいのか “不登校34万人時代”の選択肢とは
国が学校以外での学習活動の支援を充実させる方針を示してフリースクールなどの受け皿が増え、「無理をして学校に行かなくていい」という認識も広がった。
ただ、学校だからこそ得られる学びや社会的スキルもあり、教育現場にはジレンマもある。学校に再び通いたいと考えた子供の再登校を積極支援する重要性も指摘されるが、多角的な不登校対策に向けた議論は進んでいない。
不登校の受け皿としては民間のフリースクールのほか、空き教室を利用して学校内に居場所を作りサポートする「校内教育支援センター」などがある。
公立小中学校での同センターの設置率は昨年7月時点で46・1%。約2万7千校のうち、小学校6643校(設置率35・9%)、中学校6069校(同66・9%)で整備されていた。
地域によってばらつきがあり、文部科学省は設置を加速する方針だ。
ただ、こうした別の居場所ではなく、再び学校に通うことを希望する子供もいる。
35年以上にわたり不登校を研究する一般社団法人「子どもの成長実感支援センター」の小野昌彦代表理事(教育臨床心理学)は、こうした児童生徒への再登校支援を実施してきた。
子供の学力、体力、社会的スキルを測り、それぞれ再登校に必要な数値に到達するよう指導。不安を克服するための行動療法なども行う。登校できるようになった後もフォローし、これまでに支援した約300人はほぼ全員が登校を継続できているという。
首都圏に住む中学3年の女子生徒(15)は腹痛で休みがちになり、次第に周囲の目が気になって1年の秋から不登校になった。
昨年3月、学習の遅れへの焦りや「やっぱり中学校生活を楽しみたい」との思いで小野氏に支援を求めた。
支援プログラムの中で、腹痛は授業が分からないことへの不安が原因で、欠席することでそれを解消していたと分かった。
復習と予習に加え、分からないことを教諭に質問できるよう練習。低下していた体力を回復させ、4月に復帰した。
「事前に準備することで不安を感じなくなった。友達もできて学校が楽しい」と女子生徒。
母親は腹痛の要因が分からないまま休ませ続けたことを「対応が不十分だった」と振り返る。
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