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「中学受験は親の受験」なんて言葉もあるが、日本での教育を経験していない中国籍の親は、どうやって異国で受験情報を得て入試に取り組んでいるのか、それぞれ子どもが「御三家」に合格した中国人2人に聞いた。
話を聞いたのは、長男が開成中に通う喜金平さんと、長女が女子御三家に通う彭立元さん(いずれも仮名、40代)。2人とも中国籍の配偶者を持ち、日本在住歴は通算約20年に及ぶ。
喜さんは中国の大学を卒業後、来日。日本の大学院を卒業しそのまま日本で就職したが、結婚後は中国で子育てをするために帰国した。
だが、長男が2歳のときに日本に舞い戻った。
「長男が未熟児で生まれたので、空気がきれいで医療のインフラが整っている日本のほうが安心だと思った。あの頃はPM2.5が社会問題になっていたから。中国は周囲との競争も激しく、日本の落ち着いた環境で子育てしたいという気持ちもあった」
喜さん家族は、都内でも埼玉寄りの北区の賃貸住宅に居を構えた。公立小に入学した長男は地域のスポーツチームに参加し、平日、週末問わず熱心に練習した。
中学受験に足を踏み入れたのは、長男が保育園の頃から家族ぐるみで付き合っていた近所のママ友彭さんの影響だった。
「長男が小学3年生の2月、彭さんから『娘を(受験塾の)SAPIXに入れた』と聞いた。それまでSAPIXという名前も知らなかったが、興味を持って家から近いSAPIXに連絡した。
しかしすでに定員に達していて、塾がそんな早くから定員になることにびっくりした。その後、YouTubeで情報収集して小学生向けの四大塾の存在を知り、
、近くの早稲田アカデミーはまだ入塾を受け付けていたので、小学4年生の4月に入れた」
通っている小学校がクラスの順位を出すこともないため、喜さんは長男の学力がどのくらいかもわかっていなかった。中学受験の知識はまったくなく、「学力が伸ばせれば」という気持ちだったという。
喜さんのママ友である彭さんは中国の大学を卒業後、現地で日本関連の仕事をしているときに職場結婚した。夫婦とも日本に出張することが多かったため、その流れで日本で転職し、子どもが生まれた。
SAPIXのことは、中国人のママ友に教えてもらったという。
「学力が伸びたら機会が広がる。親として当たり前の思いから、小学3年生の11月に入塾テストを受けた。
ただ、私は日本の私立中学・高校の知識がなく、中学受験のことは考えていなかったし、塾に入るまで子どもの学力もあまり把握していなかった」
長女のSAPIX入塾時の成績は真ん中くらいだったが、テストの結果で頻繁にクラス分けをし、競争を促すシステムが合っていたのか、進んで勉強するようになり、
小学4年生のうちに上位のクラスに移ることができた。
「クラスが上がったり維持できたときは好きな漫画を買ってあげたり、私も一喜一憂するようになった」
彭さん夫婦は共働きだったが、コロナ禍で在宅勤務が導入され、SAPIXの説明会もオンラインに移行したので、説明会の配信動画を視聴して中学受験の知識を得ることができた。
気がついたときには中学受験のレールに乗っていたという。
長男を早稲田アカデミーに入れた喜さんは、専業主婦の妻が「夫婦で意見が分かれて喧嘩になるのは嫌だから、私は中学受験の勉強には関与しない」と宣言したため、塾との面談や送り迎えを一手に引き受けることになった。コンサルティング企業に勤め、パパ・ママ友ネットワークに乏しい喜さんは、中学受験の知識を本や雑誌で収集したという。
「出版社が出しているムック本は、併願校の組み方、偏差値と倍率、出題傾向などの情報がコンパクトにまとまっていて役に立った。そこに『小4のうちは塾で上位のクラスに入ることに集中する』とあったので、父子で上位クラスを目指したが、この時期が最初の壁だった」

引用元: ・【開成・女子御三家を受けた中国人親子の”中受沼”】動画やママ友連絡網、生成AI駆使
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