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【朝日新聞】留学生の入国制限、緩和されたけど 落胆の声相次ぐ理由
「日本政府が海外の留学生について気にしていないと感じる。残念」「来年まで待たなければならないのは理解できない」
これまで留学生の入国を認めてもらおうと署名活動をしてきた国立大学1年の女子学生のもとには、入国制限が緩和された8日以降、日本への渡航を待ちこがれる海外の学生からこうした声が届いているという。
「ほかの国は渡航を緩和していますが、私たちは来年の2月よりさらに後まで(日本への入国を)待たなくてはなりません。先週、日本から来ている留学生とピクニックに行き、彼らの楽しく充実した留学体験を聞いて正直、ねたましさを感じました。彼らは8月からこちらで大学生活を楽しんでいますが、私たちは時差に苦しみながら終わりの見えないZoomの授業を受け続けています」というメッセージもあった。
自身も「制限緩和」のニュースを見たときは喜んだが、入国までに時間がかかりそうだと分かってがっかりしたという。「感染予防はもちろん大事なのですが、日本の学生は留学できているなか、日本にはまだ来られないまま。海外の友人に申し訳ない気持ちになりました」
審査の受け付け、来年になる人も
文部科学省が今月5日以降、通知や資料、動画配信で各大学に示した手順では、大学などの「受入責任者」には留学生の「行動管理」が求められている。まず、大学側が留学生の入国後の待機場所を記した書類や、大学と留学生による「誓約書」などを文科省に出し、審査にパスする必要がある。
審査の申請は、留学の在留資格を得た時期が早い人から順に、各大学が行う。資格を得た時期を①昨年1~3月②同4~9月③同10月~今年3月に分け、①の人は今年11月、②は12月、③は来年1月から文科省が審査を受け付ける。
この区分には、「今年4月以降に資格を得た人」は入っていない。文科省は、来年2月以降に「状況を踏まえて」申請を受け付けるとしか説明していない。留学辞退者が出ることが想定されるほか、海外で感染が拡大中の地域もあり、実際に留学生の入国がどれくらい進むか見通せないためだ。
国際教養大学(秋田市)の米田裕之・事務局次長は「提出書類をそろえるのが大変そうで、手続きが進むスピードも心配」と語る。
同大学で学位を取るために入学した「正規留学生」34人のうち、日本に入れず、海外で同大学のオンライン授業を受けている20人は入国を待ちわびており、大学側も可能ならすぐにでも呼び入れたい気持ちだが、そう簡単ではないという。
以下会員記事
朝日新聞 2021/11/13 13:00
https://www.asahi.com/sp/articles/ASPCD45D3PCCUTIL02P.html?iref=sp_new_news_list_n