【バンドリ！】「む、18時です」

私はモーティスへのギター指導を一旦止めて席を立つ。プロテインを溶いたシェイカーを振りながら、ブロック型栄養食をモーティスに手渡した。けれどモーティスは受け取ろうとせず。
「こんなのご飯じゃないよ！」
「これとプロテインは完全栄養食ですが」
「どう考えても足りてない！体壊す！」
やれやれ。幼くて御しやすい彼女が珍しく熱心にギターを練習していたのに、この程度で駄々をこねるとは。全く面倒な…。
「必要最低限で良いんです。ギターを弾く程度ではカロリーを消費していません」
「やだ！美味しいものちゃんと食べたい！」
「では、家に帰っては如何ですか」
「それもやだ！もっとギター教えて！」
あれもヤダこれもヤダとは…子育てを始めたつもりは無いのですが。しかし、これもまた信用を得るためには必要なことなのかもしれません。
モーティスが満足にギターを弾くことが出来れば、それを皮切りにムジカのメンバーを説得することも容易くなるはず。そのための懐柔。そのための指導なのだから。
「…分かりました。パン型の栄養食を買ってきましょう。それなら腹持ちもいいです」
「だから！栄養食から離れてってば！」

「仕方ありませんね。ベースフードの焼きそばパンもありますよ」