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中学受験過熱の裏で「わが子を公立中には入れたくない」と考える親が増加中… “公立中の課題”とは
(中略)
“加熱”の傾向が強まったことで、入試の難易度も80年代とは比較にならないほど上昇している
(中略)
ところが保護者の中には、「公立の中学だけは絶対に行かせたくない」との考えから子供を私立中学の受験に誘導するケースも少なくないという。なぜ、一部の保護者は公立中を嫌うのだろうか
(中略)
2006年の新語・流行語大賞で『勝ち組・負け組・待ち組』がノミネートされました。つまり従来の日本人が持っていた“一億総中流”の意識が完全に消滅した年だと位置づけられます。保護者は『わが子を勝ち組にするためには、偏差値の高い大学に進学させる必要がある』と判断し、難関・有名大学の合格実績が豊富な私立の中高一貫校に注目したのです。さらに2006年は『公立中は荒れ、学級崩壊は常態化。教室の質は悪く、いじめが横行している』という報道が非常に増えた年でもありました
(中略)
小学生の子供を持つ保護者は「公教育に任せていると、わが子は負け組になってしまう」との不安を持つようになった。これに受験産業も敏感に反応する。
「本来であれば、少子化で受験産業の市場規模は減少する一方だったはずです。ところが2006年以降、中学受験が改めて注目されるようになりました。この風潮を受験産業はしっかりビジネスチャンスに変えたのです。私立中の教育内容は公立中より優れ、中学受験に挑戦すべきだと宣伝しました。わが子を勝ち組にしたいという保護者の切実な希望と受験産業のアピールがマッチし、中学受験がさらに過熱することになった“原点”が2006年だと言えます」
(中略)
公立中に勤務する数学の先生が中3の生徒を教えるという公開授業を拝見しました。公開授業を任されるほどですから非常に授業が上手な先生でしたが、それほどの人でもやはり授業には苦労しておられました。なぜなら成績が優秀な生徒と、そうではない生徒の差があまりにも大きいからです
(中略)
一方、ほとんどの私立中は入試を実施しています。いわば“ふるいに掛けられた”生徒たちですから、公立中のクラスより学力の均質性がはるかに高くなります。入試偏差値が50という私立中があるとして、トップ層は偏差値75で下位層は35といったばらつきは基本的にあり得ません。クラスで平均的な学力を持つ層に合わせて教師が授業を進めても、多くの生徒が納得できる可能性が高いのです
(中略)
教師の“働き方”も公立中の不人気に影響を与えているという。昨今、あまりの激務で心身共に疲れ果てた教師が増えているのはご存知の通りだ
(中略)
保護者も『私立中の教師は公立中の教師に比べ、授業に専念できる環境が整っている』というイメージを持っているはずです。何よりも公立中をブラック企業のようだと考えている保護者は少なくなく、そんな問題のある中学校にわが子を預けようとは思わないのです」(同・親野さん)
「公立中にだけは通ってほしくない」と考える保護者の中には、中学校の内申書を問題視する者が多い。「うちの子は内気なタイプだから、内申点は良くないはずだ」と判断し、内申書が必要ない私立中の入試を受験するというわけだ
(全文はWebで)
https://news.yahoo.co.jp/articles/71913c8cdc1ef58cfd429efad49c05f4e45002b1