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【朝鮮日報/書評】「日本は武の国」という認識は16世紀末に生まれた・・・
野球の日本代表チームは「侍ジャパン」、サッカー男子日本代表チームは「サムライブルー」と呼ばれる。日本の時代劇も大多数は戦国時代や江戸時代の武士たちを扱う。日本人はいつから、自国を「武の国」と認識したのだろうか。
日本の中世文学を研究している著者は、古代と中世の日本は「神国」であって、「武国」ではなかったと語る。「武に秀でた国」という認識は16世紀末ごろ本格的に広まった。1592年に明を征服するため朝鮮を侵略した豊臣秀吉は、朝鮮水軍の反撃に遭って戦況が不利になると、将帥らに手紙を送った。「日本のように弓矢がすさまじい国」が、明のような「長袖の国(貴族の国)」を破るのは容易なので心配するな-という内容だった。
秀吉の朝鮮侵略は悲惨な失敗に終わったが、日本では武国の武威を輝かせた事件として美化された。江戸時代に広まった「武国」史観は、19世紀末から学校教育を通して全ての国民に注入された。
古代からこんにちに至るまで、日本人が自国をどのように見ていたか、その自意識の変遷の歴史を振り返った一冊。文の国、中国に対する反発で武を強調したという解釈も興味深い。なにげなく受け入れてきた伝統に疑問を提起し、武国論の死角に切り込んだ。316ページ、2万ウォン(約2140円)。原題は『「武国」日本 自国意識とその罠(わな)』
ペク・スジン記者
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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