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【韓国】日本の政治権力がばら撒いた『反韓感情』の解剖
▲ イ・ヒョンヂュ/28,000ウォン
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<日本初の嫌韓ウイルス(パイロス)>
日本の嫌韓は昨日今日のことではない。光が強いほど影は一層濃いと言うべきか。一方で韓流の流れが大きくなるほど、もう一方では嫌韓の毒キノコが広がっている。歴史的な関係が密接な両国の人々の間に我と非我を区別して、他者を戯画化したり憎悪する事例を見出すのは難しいことではない。ところが責任のある公職者や政治家、企業家が日常的に他国と民族について侮辱的な発言の公表を繰り返す国、主要書店では特定国と民族を蔑む内容の単行本や漫画、雑誌コーナーを構えて堂々と販売する国は、現代の先進文明国のうち日本以外にあるのだろうか。嫌韓は日本で一つの政治手段であり、産業・市場で社会文化だ。
書籍『日本発の嫌韓ウイルス – 日本の支配階級の捻じれた政治工学』は、単なる嫌韓に関する話ではない。経歴30年以上の元ベテラン外交官である著者のイ・ヒョンヂュ(李賢主)元駐大阪総領事は、嫌韓というキーワードで韓日関係を探った。
嫌韓論の談論を形成する主な内容は、日本の優越性と韓国の劣等性である。嫌韓は歴史的虚構である神功王后(皇后)の新羅征伐が『歴史』として記録された8世紀の古事記、日本書紀にまでさかのぼる。神功王后の新羅征伐説は、朝鮮後期・江戸時代の朝日(アサヒではない)の国力差から日本の底辺に流れた朝鮮蔑視観に解け込んでいる。最終的には明治維新時代を迎え、征韓論の原型として復活した。
現在の嫌韓論が拡大した背景には、1,000年以上続いた朝鮮蔑視観という歴史的な土台の上に、韓日間の国力格差の縮小や韓国の追い越しに従う韓国コンプレックスの形成、政権勢力を含む既得権勢力の国内政治的な悪用などを含んでいる。日本の安倍晋三元総理が象徴する右翼勢力の嫌韓活用に関する有識者とメディアの順応、侵略と支配を否定する日本の歴史否定主義はその共犯である。
特に、米国政府と知識社会の親日傾向が東アジア近現代史の対立を招いたという点と、嫌韓の韓国式再受容を指摘した点は示唆する部分が大きい。米国ハーバード大学マーク・ラムザイヤー教授の『日本軍慰安婦被害者=売春婦』という論文や、韓国の有識者が書いた自虐的著書の系図が明かになったのである。この点でタイトルから抜け落ちた部分がある。『日本発』の後に『韓国着』という見えない修飾語がある。世界の普遍的な観点とは異なる日本特有の独特な観点に関する説明は、日本を理解する糸口を与えてくれる。
初の北韓(北朝鮮)常駐韓国公務員(韓半島エネルギー開発機構新浦事務所初代代表)としての2年間の経験を活かし、日本人の心理構造と行動様式を北韓住民と比較して紹介する部分も面白い。
東京=キム・チョンヂュン特派員