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深刻なボランティア不足!能登を救うためにできること
Yahoo!ニュース オリジナル 特集1/4
https://news.yahoo.co.jp/pickup/6524821
昨年1月に能登半島地震が発生してから、1年を迎えた。しかし、震災からの復旧が進まない中、9月には奥能登豪雨が追い打ちをかけ、被災地の状況は今なお深刻だ。昨年12月10日時点で、輪島市では14カ所の避難所に290人が身を寄せたままであり、年末年始を避難所で過ごす住民もいる。「とにかく人手が足りない」「このまま降雪期に入ればさらに事態が悪化する」という切実な声が上がる中、被災地では長期化する災害ボランティア不足への対応が急務となっている。(取材・文・撮影・編集:島田 龍男/Yahoo!ニュース オリジナル 特集編集部)
■地震と豪雨が複合的被害をもたらす…進まぬ復旧作業
1月の地震による地盤の緩みや護岸の崩壊が残る中、9月の記録的豪雨が輪島市、珠洲市、能登町を中心に複合的な被害をもたらした。防災科学技術研究所によると、土砂流出箇所は輪島市と珠洲市の一部で約1900カ所に及び、地震起因の約2200カ所に迫る勢いだ。地震を耐え抜いた家屋が再び水や土砂に襲われ、さらには震災被災者のために建てられた仮設住宅でも浸水被害があり、ようやく生活再建のめどが立った矢先に再度の災害が起きたことで、住民からは「さすがに心が折れそうだ」という声も聞こえる。
全壊・半壊とまではいかなくとも、泥出しやがれきの除去、清掃など、専門的でない作業が必要な家屋は多い。しかし行政は人命救助や避難所運営、ライフライン復旧など優先度の高い活動の対応に追われ、すべてをカバーできない。被災者自身で対処するのは到底困難であり、そのため災害ボランティアが本来欠かせない存在となるはずだ。
■増えぬボランティア…3カ月経っても「マッチング待ち」多数
ところが現地では、依然としてボランティア不足が続いている。輪島市社会福祉協議会によると、昨年12月10日時点で約40件が「マッチング待ち」の状況だ(地震・豪雨による被災どちらも含む)。豪雨直後の9月下旬には1日で81件もの要請が殺到。ピーク時よりは落ち着いたものの、3カ月が経過してもボランティア要請は寄せられており、すべてのニーズには対応しきれていない。
「降雪期には作業がさらに困難になります。東日本大震災では半年ほどで閉所へ向かう災害ボランティアセンターも多くありましたが、今回は震災から1年が近づいても終わりが見えません」
輪島市社会福祉協議会の担当者からは、そんな苦しい思いが聞かれた。
■「能登には来ないで」から始まった初動の難しさ、脆弱なインフラ
なぜこれほどまで人が集まらないのか。1月の地震直後から現地に入り、復旧支援活動を続けてきた一般社団法人「ピースボート災害支援センター(PBV)」理事兼事務局長の上島安裕さんは、交通網や宿泊環境といったインフラ面での弱点、若者の少ない地域での受け入れ態勢の薄さなど、複数の要因を指摘する。
「震災直後は『能登には来ないで』というメッセージを出さざるを得ませんでした。幹線道路が寸断され、金沢から奥能登に行くには下手したら10時間以上かかる状況。当時、自衛隊や緊急車両を優先し、被災者でさえも市外への避難を呼びかけていた状況下では、受け入れは難しい状況でした。ただ、その初動対応の影響で、関心が下がり、結果的に長期的なボランティア不足が続いているのではないかと感じます」
ピースボート災害支援センターの上島安裕さん(理事兼事務局長)
また、高齢化が進む能登では、平時から地域を支える若者が少なく、ボランティアを受け入れる仕組み自体が脆弱だった。さらに地震時には危険性が高く、一般ボランティアが動きにくかったことが、当初の参加を鈍らせた可能性もある。
一方で、地震と豪雨では必要な支援内容が全く異なる。豪雨被害では泥出しや清掃など、一般ボランティアの手が求められるケースが多いにもかかわらず、「地震の延長」と思われて必要性が十分に伝わらなかった。加えて報道量の少なさ、選挙時期との重なりで情報が埋もれ、さらなる人手不足を招いたと上島さんは分析する。
作業のタイミングも課題だ。2次避難先の金沢などから被災者が戻ってくるときに合わせてボランティアが必要になるが、帰ってくるタイミングはバラバラで、短期集中型の「ボランティアイベント」が組みにくい。「細くても長く」続く支援が不可欠な中、一時的な応急対応ではなく、被災地と長期的に関わる「関係人口」の創出・拡大が求められている。滞在拠点の整備や仕事創出、子育て環境の改善など、地域活性化とも連動した取り組みが議論され始めている。
※以下引用先で