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【米国】中国に対抗で「民主主義圏の旗手」演出 G20
G20サミットの30、31日の会期中、米政権は、権威主義的な傾向を強める中国への対抗策で「欧州の指導者たちと強固な一致点を見いだせた」(米政権高官)と手応えを感じている。
バイデン氏とフランスのマクロン大統領との会談では、両国が「ルールに基づく国際秩序」を支える姿勢を打ち出し、南シナ海で人工島造設を進めた中国を牽制(けんせい)。中露首脳が不在となる中、イラン核合意再建に関して英独仏とのトップ会談を開き足並みをそろえた。
米国と欧州連合(EU)が対立した鉄鋼・アルミニウム関税の扱いについて、双方が30日合意したのも、過剰生産や不公正貿易を続ける中国に是正を迫る共通歩調を優先すべきだとの認識が「接着剤」になった。
バイデン氏は以前、中国との21世紀の大国間競争に勝ち抜くと宣言。「民主主義圏の旗手」としての米国の立場を訴えてきた。中露も入るG20の枠組みを活用し、共通の価値観を持つ友好国との関係強化で一定の成果を挙げたといえる。
それに対し、習氏は30日にG20サミットでオンライン演説した。中国外務省によると、発展途上国へのワクチン提供の強化や、サプライチェーン(供給網)の安定に向けた国際フォーラムの開催を呼び掛けた。一方で習氏は、同盟国などと「中国包囲網」の形成を進めようとしている米国を念頭に、「人為的に小派閥をつくったり、イデオロギーで線引きをしたりすることは、溝を作り、障害を増やすだけだ」と強調した。
産経ニュース 2021/10/31 17:48
https://www.sankei.com/article/20211031-OEAZM564TZMQFL4BV7CFJT7AUQ/