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【バ韓国】江戸時代の印刷革命は略奪した朝鮮活字のおかげだった
11世紀、日本の平安時代に書かれた『更級日記(サラシナ・イルギ)』は、田舎育ちの中級貴族の娘が『源氏物語(ケンヂ・イヤギ)』の全巻を手に入れ、無我夢中で読破した後に書いた一種の感想文集である。
「一巻から誰の妨害も受けずに部屋に引きこもり、一巻一巻取り出して読んで行くその気持ち、皇后の地位のようなものは問題にならないと思うほどだった」
「昼は一日中、夜は眠らない限り明かりを灯す」、本を読む著者の姿は昨今の徹夜で本を読む閲読者の姿と特に変わらない。
日本の著名な編集者であり評論家、演劇演出家である津野海太郞(スノ・カイタロ)が書いた『読書と日本人(マウムサンチェク=心の散策)』は、平安時代から今日までの日本の読書文化史を考察した本である。
著者は当代の人気書籍、著者と読者層、書店などの出版文化と直接関わる内容だけではなく、教育の拡大と識字率の変化、経済像など、社会全般の変化も同時に紹介している。
著者は1部の『日本人の読書史』で、平安時代から明治維新まで『一人、自ら、静かに読む』普遍化した読書方式が定着するまでの過程を追跡した。
2部では20世紀の『読書の黄金時代』を紹介している。資本主義にふさわしく出版業が再編される世紀の初めや、電子書籍や漫画が紙の本から取って替わり始めた20世紀後半までを紹介した。
著者は自国文化を優位に置くことを警戒して、東アジアの歴史の流れの中で日本の読書文化の成立を考察した。
例えば平安時代に書かれた菅原道真(スガワラノ・ミチヂャネ)の『書斎記(ソヂェギ)』は、唐の詩人である白居易(はく・きょい)の影響を受けたと紹介した。
日本の出版文化の復興が、壬辰倭乱(文禄・慶長の役)や韓国戦争(朝鮮戦争)の特需の中から探っている点も注目される。
著者は江戸時代に現れた印刷革命は、壬辰倭乱の際に加藤清政(カト・キヨマサ)と小西行長(コニシ・ユキナガ)などの武将が朝鮮から銅活字と鋳造機を大挙略奪したことによるものだと説明した。
これに1590年にグーテンベルク型活版印刷機と活字鋳造機が、長崎・五島列島の拠点に入ってきた点も一役買ったと付け加えた。
さらに日本文化の特徴として挙げられる様々な雑誌の登場は、太平洋戦争や韓国戦争と緊密な関連を結んでいると主張した。
『朝鮮戦争という強心剤注射で日本経済がどん底から蘇り、人々の生活にも多少の余裕ができた。 “神武景気(1954~57年の好景気)”である。扇谷(オウギヤ)の “週間朝日” が100万部を超えたのも、このような変化の中で起きた事件だった』
著者は読書の黄金期である20世紀が終わったことを何よりも惜しんだ。だがしかし、映画・テレビ・ラジオ・演劇・舞踊・音楽・絵画・写真・デザインなど、様々なメディアが作り出す網の中心に本があり、本の重要性は時代が変わっても変わらないだろうと楽観した。
「やはりウリたちには読書が必要である」
イム・ギョンテク翻訳。280ページ。17,500ウォン。
ソウル=聯合ニュース(韓国語)
https://www.yna.co.kr/view/AKR20211028197000005?