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中国産爆安EC「Temu」がベトナムで問題に、インドネシアでは政府が「ブロック」…日本人が知らないアジアの実情
実はTemuは日本だけでなく、東南アジアでも急拡大している。その反応は各国によってさまざまのようだ。Temuから日本進出のアドバイスを依頼されたこともある中国経済トレンドウォッチャーの吉川真人氏が、前編記事『「高額案件」だけではなかった…ECサイト「Temu」が日本進出で筆者に寄せた「相談」の中身』より続けて、日本であまり知られていないアジア諸国の対応を解説する。
ベトナムでは批判の対象に
Temuは日本市場だけでなく、東南アジア市場にも積極的に進出している。2024年10月にはベトナム市場に新規参入を果たし、フィリピン、マレーシア、タイ、ブルネイなど東南アジアの主要国で事業を展開中だ。
総人口6億人を超える潜在的な市場を狙うのは至極当然だが、Temuの前途は多難だ。地元に根付いた強力な競合である「Shopee」や「Lazada」の存在、さらには各国政府による規制の壁が、Temuの成長を阻む大きな要因となっている。
東南アジア市場ではShopeeとLazadaが圧倒的なシェアを誇り、消費者の信頼をすでに確立している。特にShopeeは、シンガポールを拠点にし、地域ごとの特性に合わせたマーケティング戦略やユーザーサポート、そして現地密着型の物流網を整備することで、高いリピート率を維持している。また、Lazadaも同様に、各国の拠点を活用して迅速な配送を実現し、多様な消費者ニーズに応える柔軟なビジネスモデルを展開している。
ベトナムに住む友人に話を聞いたところ、彼は「TemuはShopeeのような存在感はまだない」と即答した。Shopeeは「価格重視の消費者」の支持を集めると同時に、頻繁にキャンペーンを実施し、プラットフォーム上での利便性を徹底的に追求してきた。
Temuは2024年10月にベトナム市場に参入したものの、早々に規制上の課題に直面している。ベトナム政府は、Temuが商工省への事業登録を行わずに運営を開始した点を問題視し、11月末までに登録を行わない場合は、国内のインターネットドメインやアプリの利用をブロックする方針を発表した。さらに、当局は消費者に対し、未登録プラットフォームでの購入には注意するよう警告を出している。
Temuの参入から約1カ月で、ソーシャルメディア上でそのサービスについての議論が増えたものの、期待外れとの声も少なくない。特に以下の点が批判の対象となっている。
●割安感は期待外れ:ShopeeやLazadaのディスカウントに慣れた消費者にとって、Temuの特徴である「最大90%オフ」といったプロモーションは際立っていない。
●配送が遅い:東南アジアの消費者は、ShopeeやLazadaで当日または翌日に届く配送スピードに慣れているが、Temuの配送は通常6~7日かかり、利便性で大きく劣る。
●品質や安全性への不信感:一部の商品が写真と異なる、あるいは壊れやすいとの報告が相次いでいる。
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現代ビジネス
12/7(土) 7:24配信
https://news.yahoo.co.jp/articles/733d02a086a8eeeb4a4b48a355a41d676c03387c