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【意味不明】K-POPアイドルに労働法は適用されない……韓国政府が職場でのハラスメント告発に対し見解
K-POPアイドルグループ「NewJeans(ニュージーンズ)」は昨年、韓国の女性アイドルグループのアルバム売り上げ枚数で1位となった。世界中に数千万ものファンを持ち、韓国で最も注目されているグループの一つとも言われている。
しかし韓国政府によると、彼女たちは労働者ではないという。
韓国の雇用労働部は20日、グループのメンバーが職場でハラスメント(いやがらせ)を受けたという主張を退けた。著名人は同国の労働法が定める労働者には当てはまらないため、労働者に認められている権利が適用されないとした。
この決定は、当然ながら非難の的となったが、同時に、おどろくような出来事ではないとも言われた。過酷なスケジュールと激しい競争で知られる業界から生じた、新たなスキャンダルに過ぎないとの声もある。
ニュージーンズは数カ月前から、所属事務所のHYBEや、傘下のレコードレーベルADORと争いを繰り広げてきた。
「Super Shy」、「OMG」、「Supernatural」といった洗練されたポップソングで知られるNewJeansは昨年、世界で8番目に売れたアーティストとなり、今年の米MTVアワードでは最優秀グループ賞にノミネートされた。
ミンジさん、ハニさん、ダニエルさん、ヘリンさん、ヘインさんの5人からなるニュージーンズは2022年に結成。メンバーの年齢は現在、16歳から20歳だ。
一連の出来事は今年9月11日、メンバーがユーチューブのライブ配信で、ADORによる自分たちへの待遇について懸念を表明したことで始まった。
現在は削除されているこの動画でメンバーは、職場でのハラスメントなどを訴えた。また、20歳のハニさんが、音楽業界でのいじめに関する公聴会で証言すると発言し、騒動はピークに達した。
ベトナム系オーストラリア人のハニさん(本名パム・ゴク・ハン)は、韓国の国会で議員に対し、「会社が私たちを嫌っている」と説明。HYBEの幹部が、ニュージーンズのメンバーを無視したり冷遇したりしたと述べた。また、HYBEの従業員が社内コミュニケーションアプリ上でニュージーンズの悪口を言い、同グループの売り上げを軽視する記事を書くようジャーナリストに依頼したと主張した。
HYBEは以前、これらの非難を否定していた。HYBEの子会社であるADORのミン・ヒジン代表は、公聴会で「アーティストの話をもっとよく聞く」と述べた。
ハニさんの主張を受けて、ファンたちは職場でのいじめに関する嘆願書を政府に提出した。
しかし韓国の雇用労働部は20日、ハニさんが署名したマネージメント契約の内容と性質を考慮すると、ハニさんは同国の労働基準法における労働者とはみなされないとして、これらの主張を退けた。
ソウルにあるユルチョン法律事務所の上級パートナー、チェ・チョンファン氏は、「労働者と見なされるためには、労働基準法の基準を満たさなければならない。これには、固定労働時間や雇用者の直接的な監督・管理下での労働提供などが含まれる。歌手を含む著名人は通常、独立契約者として分類される」と説明した。
政府はまた、ハニさんの収入の性質についても言及している。韓国メディアの報道によると、ハニさんの収入は「賃金ではなく利益分配」とみなされている。さらに、ハニさんは雇用所得税ではなく事業所得税を支払っていると付け加えている。
ある専門家は、この対応を「まったく不当だが、驚くことではない」と評している。
釜山大学校のシダーバウ・セジ助教(韓国と東アジア研究)は、K-POPアイドルの仕事は「精神的にも肉体的にも疲弊する」ものであり、「信じられないほど長時間、時には週7日で何カ月も休みなく働き続ける」と話す。
「労働者の搾取が容認されているのは、アイドルたちが正規従業員ではなく、労働組合もないためであり、また今回明らかになっているように、アイドルたちのために人道的な労働条件を擁護する政府機関がないためだ」
チェ氏は、韓国には現在、著名人やアーティストの労働権を保護する特定の法律はないと述べ、これは「エンターテインメント業界における長年の問題に対処するための改革が急務であることを示している」と語った。
アーティストの労働権を保護する方法としては、アメリカのタレント・エージェンシー法に類似したものを導入するという手法がある。これはタレント事務所にライセンス取得を義務付け、不当または搾取的な契約を禁止するものだと、チェ氏は説明する。
だがチェ氏によると、韓国では「タレント・エージェンシー法に類似した法律について、導入が議論されているものの、まだ制定はされていない」という。
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