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【DIAMOND online】 クリエイティヴィティで韓国に大敗している日本に「絶対的に足りないもの」とは?
● クリエイティヴィティの競争力が低落した日本
日本には地下資源が少なく、高度成長の頃から「日本の資源は人材だ」と言われてきました。
ここで使われている「人材」という言葉を今の文脈で精度高く表現すれば、「アイデアやクリエイティヴィティを生み出す人材」ということになるでしょう。そして現代の世界では、軍事力や地下資源もさることながら、アタマの競争における優位性が重要視されます。
それなのに日本は、アイデアやクリエイティヴィティで世界と戦うのだという国民的合意がないように思われます。
僕はそこに強い危機感を抱いています。
かつて日本は、アメリカやヨーロッパを主な競争相手としていました。しかし現在はアジア各国も強力なライバルとなり、いくつもの領域で日本を凌駕しています。特にお隣の韓国には、音楽産業と映画産業で大きな差をつけられているのは歴然たる事実です。
これはつまり、クリエイティヴィティでの競争力が落ちているということです。
このことを深く自覚できている人が、今の日本にどれほどいるのか疑問です。
● 日本に「質の高い悔しさ」を植え付けたい
クリエイティヴの競争力をつけるためには何をしたらよいのでしょうか。
僕は、小手先のアウトプット術を学ぶのではなく、長く使える普遍的なインプット術を学ぶべきだと考えます。
そういった思いを込めて『インプット・ルーティン 天才はいない。天才になる習慣があるだけだ。』を執筆しました。
この連載の第3回目でもお伝えしましたが、僕は大学でスパルタな授業をやっています。
社会人向けにも「編集スパルタ塾」と「スパルタ塾・オブ・クリエイティビティ」を開校しています。
「スパルタ」と言うと時代錯誤に思われるかもしれません。でも、プロのアスリートになるには厳しい身体のトレーニングが必要なように、プロのクリエイターとしてサヴァイヴするには厳しいアタマのトレーニングが必要だと考えます。
クリエイティヴな仕事を続けることは、永遠に競争している状態であるということです。そこでモチベーションを維持して
勝ち続けるためには、「あいつには負けたくない」「世界の第一線のプレイヤーたちと互角に戦いたい」
「時代に残るようなものを生み出さずには死ねない」といったような、「質の高い悔しさ」を持ち続けなければならないのです。
日本が世界の知的競争から降りつつあり、世界に負けている事実から目を逸らそうとしている今だからこそ、国や状況のせいにせず、個々において「質の高い悔しさ」が必要なのです。
世界に対してヘイトや憎悪で敵対するのではなく、アイデアやクリエイティヴィティで健全な戦いができるようになるべきです。
クリエイティヴの世界には暴力的な敵はいません。知的なライバルがいるだけです。
日本をクリエイティヴィティで戦える状態にする──僕はその一助を担うべく教育を行なっていますし、それこそが僕の責務だと思っています。そして実際に、僕の講座や大学の生徒たちの多くは、高い目標を持ち、グローバルな競争で負けないような研鑽を重ねていると信じて
います。
● 質の高い努力の先には「ヘイト」ではなく「リスペクト」がある
世の中で「やさしい教育」が主流となり、スパルタという言葉が死語になりつつあっても、世界と知力で戦うためには、クリエイティヴなスパルタ教育が絶対に必要です。
アタマの競争には、暴力的な敵はおらず知的なライバルがいるだけだと前述しましたが、そうしたライバルとの質の高い切磋琢磨によって、日本のクリエイターたちは世界のクリエイティヴの「名球界」入りができるはずです。
そこにあるのは嫉妬や憎悪ではなく、互いのリスペクトと評価です。自分を人一倍鍛えている人は、
同様に自らを鍛えている他者へのリスペクトと共感を持てるのです。
ー後略ー
菅付雅信
11/16(土) 6:02配信
https://news.yahoo.co.jp/articles/f3337f2aace38a266836766233aa638eb3037a9b