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今年9月時点で、韓国の中小通信販売業者の廃業件数が6万4000件を超え、2023年の最大最多(7万8697件)を上回る見込みだ。
特にインターネット通信販売業者の場合、今年は許可業者数が昨年に比べて急減し、初めて廃業件数がそれを上回ったことが確認された。
韓国eコマースに大打撃
国会・政務委員会所属のキム・サンフン議員(国民の力)室が行政安全部から提出を受けた資料「国内通信販売業者の廃業現況」によると、過去5年間で韓国内の中小通信販売業者の廃業件数は毎年増加し、2023年は7万8697件で過去最多に達した。これは2019年(2万6873件)と比べて、約3倍に増加した数字だ。
特に今年の廃業件数も9月までで6万4035件に達しており、年末には過去最多を更新するものと予想されている。
その中でも、インターネットで家具・家電・食品・衣類などを販売する「インターネット通信販売業者」の打撃がさらに深刻だ。インターネット通信販売業者は今年、初めて許可件数よりも廃業件数が上回った。
許可件数は過去5年間で10万~20万件を維持していたが、今年9月時点で5万441件と急減した。これは2023年(24万2695件)に比べて、5分の1に相当する。
一方、廃業件数は着実に増加している。年度別に見ると、2019年は2万6071件、2020年は4万194件、2021年は5万2054件、2022年は5万6178件、2023年は7万7318件だ。今年も9月の時点で廃業件数が6万2811件に上り、許可件数も超えている。
衣類・ファッション分野の崩壊速度も加速している。今年廃業した衣類通信販売業者だけでも1万8000件。2023年は2万4358件が廃業し、全体の廃業業者の3分の1を占めた。概ね月平均約2000件、一日平均約70件が閉店している状況だ。最近、産業通商資源部が発表した8月の流通業者の売上統計でも、前年同月比でファッション・衣類商品の売上は17.8%も減少している。
このような危機は、K-ファッションの成長を牽引した東大門市場など現場で如実に感じられている。東大門ファッションタウン観光特区協議会によると、2024年3月時点で東大門の小売・卸売商業施設の空室率は40%を超えた。小売施設である「マックスタイル」と「グッドモーニングシティ」の空室率はそれぞれ86%、70%に達している。
卸売施設である「デザイナークラブ」の空室率も77%に達している。衣類産業のエコシステムを構成している商業施設が小売・卸売を問わず、空洞化しているのだ。
中国からの直輸入が3年間で3倍増加
このように通信販売業と衣類商業施設が次々と廃業している主な原因としては「中国eコマースの猛威」が挙げられる。
2023年、韓国で中国のeコマースプラットフォームを通じて購入された金額は総額3兆3000億ウォン(約3612億円)に達し、2022年比で121.2%も増加した。特にアメリカ(1兆9000億ウォン=約2080億円)の購入額をも超え、中国が韓国の最大eコマース購入国となった。
中国は、韓国内の海外直輸入の購入件数で既にアメリカを抜いて1位を維持している。関税庁の統計によれば、過去3年間(2020~2023年)で中国からの海外直輸入の購入件数は2万7000件から8万8000件へと約3.2倍に増加。さらに今年8月時点で香港が日本を押しのけて3位に浮上している。2位のアメリカの購入件数は1万7000件だ。
韓国国内のeコマースプラットフォームのランキングでも、中国のプラットフォームの躍進が目立っている。2023年初めには月間利用者数5位(227万人)だった「AliExpress」は、今年9月には875万人と約3.9倍に増加し、2位に浮上した。658万人が利用している「Temu」も4位に名を連ねた。
中国eコマースの侵攻に、韓国企業が感じている危機感は実際に大きい。中小企業中央会が今年3月、製造業と小売業を営む国内中小企業320社を対象に実施したアンケート調査によると、「中国直輸入が企業の売上減少に影響を与えるか、または与えることを懸念している」と答えた割合は80.7%に達した。
続きはソース
(記事提供=時事ジャーナル)
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