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【ネット民度】ヤフコメ欄 「お願い」では誹謗中傷コメント止まらぬ PTSDにすら罵詈雑言 ユーザー層はいい年のおっさんが8割
それによると、10月1日にYahoo!ニュースへのコメントが急増、不適切な内容が散見されたとして、「過度な批判、攻撃的な投稿」は控えて欲しいと、ユーザーに要請している。
また「コメント欄の多様性や表現の自由にも配慮しながら、さまざまな施策を検討する予定」であるとしている。
さて、10月1日に何があったかと言えば、宮内庁が、秋篠宮家の眞子さまと小室氏の結婚を正式に発表したと同時に、眞子さまが「誹謗中傷と感じられる出来事の長期的反復」による複雑性PTSD(心的外傷後ストレス障害)と診断されたことを明かしたのであった。
これに対して一部のネットユーザーが「病気を国民のせいにした!」と強く反発。「#国民のせい」というハッシュタグがTwitterでトレンドワードになり、
眞子さま関連のニュースに「過度な批判、攻撃的な投稿」が押し寄せたようなのである。
■PTSD報道に対しても罵詈雑言を書き込む大人たち
これまでも「Yahoo!ニュースのコメント=ヤフコメ」は、「過度な批判」と「攻撃」で知られている。
Googleで「ヤフコメ」と検索するだけでも、その原因を探る記事がたくさん出てくるほど、ヤフコメの“質”は問題視されていた。
Yahoo!ニュースは「専門チームによるパトロールと、機械学習での自動検知で24時間365日対応しています」と誇らしげに説明する。
だが、ご自慢のシステムの目をかいくぐり、眞子さまと小室氏の結婚に対しては、週刊誌やネットなどの悪意ある一部の報道を鵜呑みにして、
小室氏に対する悪感情は一般国民の大方の感覚であるとばかりに主張する、上から目線の誹謗中傷が盛んに投稿されていた。
そうした下地がずっとあったからこそ、10月1日に、眞子さまに対する大量の誹謗中傷が書き込まれたらしい。
今回の注意喚起があった後でも、眞子さまの複雑性PTSDの報道には「国民の方がPTSDだ」「本当に複雑性PTSDに苦しんでいる人に迷惑」「自業自得」「カネの無心をせずに皇籍離脱しろ!」などなど、
目を覆いたくなるような罵詈雑言が大量に書き込まれ続けているのだ。
では、そうしたコメントを書き込んでいる人は非常識で、頭から角が生えて、舌の先がくるりと一回転している悪魔のような存在なのだろうか?
Yahoo!ニュースは2015年に「Yahoo!ニュースがコメント機能を続ける理由~1日投稿数14万件・健全な言論空間の創出に向けて~」という記事を掲載し、
その中でコメント投稿者の男女比率と年齢比率を出している。
このデータによると利用者の80%が男性で、年齢層の中心は30、40代であることが分かる。
これは6年前のデータだから、現在だとプラス5歳くらいがコメント投稿者の中心だろう。要はヤフコメは「それなりの大人」が多く書き込んでいるのである。
(中略)
実はこの6年前の記事は、まさに今回の「ユーザーのみなさまへのお願い」における「コメント欄の多様性や表現の自由にも配慮」という言葉の内実を示しているのである。
そしてこの記事から6年が経っても、こうして「お願い」をしなければならない状況に陥っているのだから、Yahoo!ニュースの対応は失敗したと言っていいだろう。
(中略)
しかしコメントの傾向が一方に偏ると、それらに親和性を持つ人たちが「ヤフコメはそういうコメントをガンガン書き込める場」であると認識するようになる。
何かニュースがあるとヤフコメで受けそうなそうした意見を書き込み、多くの人から賛同を得て気持ちよくなる。すると、同じような人たちがさらに集まってくる。
一方で、別の意見を持つ人たちは、そうした偏った大量の意見を見て書き込む気がなくなる。仮に自分の意見を書いたとしても、
あっという間に集中的に叩かれるなどして、ついにはヤフコメには近づかなくなってしまう。これでは「表現の自由」が担保されているとは言えないだろう。
こうして自浄作用を失ったコメント欄では、同じような主張でもさらに他を出し抜こうとして過激化していく。その結果が、人を人とも思わないような暴言コメントの数々なのである。